いもち病菌の種特異的寄生性分化機構の解析

1.研究の概要とキーワード

 イネ科植物いもち病菌は、イネに寄生するイネ菌、アワに寄生するアワ菌、コムギに寄生するコムギ菌等寄生性を異にする菌群より構成されています(図1)。この寄生性分化がどのようなメカニズムで支配されているかを遺伝学的、分子遺伝学的に検討しています。


2.他の研究との相違点・新規な点

現在の生物学研究のほとんどは、モデル生物のモデル系統を定め、その系統について深く切り込むという方向に進んでいます。本研究は、いもち病菌の集団を集団として見て、その全体像を明らかにしようとするところに特色があります。


3.内容

 アワのみに寄生するアワ菌とコムギのみに寄生するコムギ菌を交配し、雑種第一代80菌系を得ました(図2、3)。これらをコムギ品種に接種して分離分析を行ったところ、この寄生性分化には2つの主働遺伝子が関与していることが明らかとなりました。これらをPwt1、Pwt2と命名しました。現在これら遺伝子のクローニングを試みています。


4.研究の適用分野

 現在の研究は、直接応用に結びつくものではないが、将来作物の抵抗性育種に役立つのではないかと考えています。 


研究者  土佐 幸雄
神戸大学農学部 生物環境制御学科
神戸大学連携創造本部より

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